2008年5月31日版読売新聞『時の余白に』で、
芥川喜好氏が鶴岡真弓氏の考えとして紹介していることを書きます。
鶴岡真弓氏は美術史家で、ケルト美術に始まり、
装飾に関する文明史を専門としています。
「人類が最初に死者に花を手向けたのは
6万年以上前といいます。
その最初の人々の心の中に、
人間の装飾の起源はあるような気がします。
一本の花、一つの文様にその思いが託されている。
装飾とは余白の埋め草なのではなく、
むしろ人間の生の営みの主題なんですね。(装飾の起源)」
さらに。
明治30年ごろ、忽然と、あざやかな青白に
染付けされた陶製便器が出現したことがあったそうです。
「ただ一人の人をそこで迎え、
鼓舞し、送り出す。
それが便器の装飾の役目だったと考えたら
楽しいですね」
この記事は芥川喜好氏の次の一文で終わります。
「死に手向ける花の心を起源とするなら、
「飾る」とは祈りにも似た行為であり、
誰に見られずとも自らの存在を
心地よく美しく整え、
自らの生を奮い立たせる、
本来ひそかな行為ということになるようです。」
今回は引用が多くなりました。
文様好きの私には堪えられない面白さの記事でした。
新聞をお持ちの方は、よろしければ、原文にあたってみてくださいませ。
『開かずの間』整理整頓計画はさらに5項目終了。
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2008年6月3日火曜日
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