2008年7月8日火曜日

今、『蟹工船』が本屋で平積みに

学生時代の教科書、『国語便覧』の「プロレタリア文学」の項目に

小林多喜二 『蟹工船』 

と書かれているのを目にしたことがあります。



その『蟹工船』が今、本屋で平積みだそうです。

例年は年間5000部ほどなのに、今年はすでに30万部売れているとか。


2008年1月9日の毎日新聞の

高橋源一郎、雨宮処凛両氏の対談で

「今の大学生が共感している」「フリーターの状況に似ている」

という意見が出されたのがきっかけだといわれています。

(対談の内容はこちら


面白かったフレーズは

 蟹工船は今でいう「偽装請負」の話/リアル(現実)が面白い
 


志賀直哉の小説で文章修行をしたといわれる

小林多喜二の『蟹工船』の冒頭は、こんなです。

「おい地獄さ行(え)ぐんだで!」
 二人はデッキの手すりに寄りかかって、
 蝸牛(かたつむり)が背のびをしたように延びて、
 海を抱(かか)え込んでいる函館(はこだて)の街を見ていた。
 ――漁夫は指元まで吸いつくした煙草(たばこ)を唾(つば)と一緒に捨てた。
 巻煙草はおどけたように、色々にひっくりかえって、
 高い船腹(サイド)をすれずれに落ちて行った。
 彼は身体(からだ)一杯酒臭かった。

 
 
ラジオで冒頭部の音読を聞き、思わず仰天。

昭和初期のモノクロの映画の様なシーンが次々と

脳裏に浮かんできたものだから。

主演は何故か若いときの石原裕次郎。

でも、それだとストーリーが変わってしまいそう・・・。







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