2008年5月20日火曜日

明るいサロン~澁澤龍彦回顧展

澁澤龍彦ポスター


1980~1990年、私は

澁澤龍彦の本をよく読みました。


彼の著作の題名をならべます。

ヨーロッパの乳房・東西不思議物語 ・世界悪女物語
妖人奇人館 ・異端の肖像 ・幻想の肖像
黒魔術の手帖 ・毒薬の手帖 ・秘密結社の手帖
エロスの解剖 ・スクリーンの夢魔 ・女のエピソード

犬狼都市・唐草物語・ねむり姫
うつろ舟・高丘親王航海記

夢の宇宙誌 ・機械仕掛のエロス ・思考の紋章学
マルジナリア ・私のプリニウス ・華やかな食物誌
記憶の遠近法 ・エピクロスの肋骨 ・幻想博物誌
裸婦の中の裸婦 ・少女コレクション序説 ・エロス的人間
アンドロギュヌスの神話 ・エロティシズム ・フローラ逍遙
ふらんす怪談 ・滞欧日記 ・狐のだんぶくろ
胡桃の中の世界 ・都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト
ドラコニア綺譚集 ・幻想の画廊から ・悪魔の中世
世界幻想名作集

その他にもマルキ・ド・サドやジョルジュ・バタイユなどの翻訳も多数。


これらの書名を一覧すると、

「澁澤龍彦は異端の人あるいは変人である」

と思いたくなるでしょう。


しかし、意外にこの人の文体は、

読みやすく、親しみやすく、軽みのあるものでした。


そして、今回の回顧展で

澁澤氏の家が「明るいサロン」であったことを知り、

彼がかつて昆虫少年だったことを知り、

まるで、めずらしい昆虫を愛でるように

外国の文物や日本の文物を

嬉々としてコレクションしたのだということを理解したのでした。


彼の本を一冊だけ読むなら、これがいいかも、です。

彼の仕事のエッセンスであり、白鳥の歌でもあるからです。

高丘親王航海記表紙



澁澤龍彦回顧展は県立神奈川近代文学館で6月8日まで

コーチングで一隅を照らす(私のホームページです)
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