2008年3月7日金曜日

ヴォーリズ建築と祖父

滋賀県立近代美術館の

「ヴォーリズ建築の100年」展へ行きました。

ヴォーリズ建築建築事務所が手がけた
戦前、戦後の一連の西洋建築に関する展覧会です。

京都では、烏丸丸太町の下村ハウス、
四条川端の東華菜館、
同志社大学今出川校舎のアーモスト館などがあります。



私の祖父(故人)がこの事務所で働いていました。
祖父の家もこのヴォーリズ建築による個人住宅でした。
美しさと温かみと異国風が混在する面白い家です。

祖父は生前「この家はスパニッシュ・スタイルだ」とよく言っていました。

祖父が亡くなってから、スペインへ行きました。
南部のイスラム文化が強く残るアンダルシアに
祖父の家にあったものと共通するデザインを見つけました。
でも、少し味わいが違う、と感じました。

10年以上たち、
アメリカのカリフォルニア州、サンディエゴに行きました。

すると、そこには「祖父の家」がたくさんあったのです。

「どういうことだ?!」

そのとき知ったのは、
カリフォルニア州が昔、メキシコの一部だったこと。
そしてメキシコは長らくスペインの植民地でしたよね。


そしてヴォーリズ建築は、正確には、
「スパニッシュ・コロニアル・リバイバル・スタイル」
 (スペイン植民地風再現様式)
と呼ばれるもので
アメリカと日本に独特のスタイルだったそう。


個人住宅ではもっといろいろな要素が渾然一体となっていて、
たとえば祖父の家は

 スパニッシュ・コロニアル
 丸太を半分見せるスタイル
 イスラム風の装飾
 ロミオとジュリエットのバルコニー
 そして、日本の書院風違い棚

これらの組み合わせです。


こんなデザインにするどんな必然があったのかについては
この本に書いてあります。

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今は亡き祖父に会いにいくつもりだったのったが
(そして実際に,ごく若い時代のバイオリンを持つ祖父に会えたのだけど)

それまでごく個人的・主観的だった「おじいちゃんのおしごと」が

祖父もその一員として参画した仕事として
客観視され、地理的、歴史的、文化的に位置づけられるのを体験した
不思議な一日でした。


いつもアイデアと車を出してくれる友人、
「トルコのスルタンが万が一に備え、手に職をつける話」をしてくれた友人に
ありがとう、です。


コーチングで一隅を照らす(私のホームページです)
←応援ありがとうございます

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

あーあーあー!!!
つながるつながる物語ですね!!
あーあーあー!!!
なのですね・・・。

takahashi さんのコメント...

そうなんです!
すべてがコネクトしました。

でも、もしかすると、まだ続くのかも。